「はぁ……」



今日、2回目の溜め息。


車に乗った途端、溜め息が漏れた。


カバンを助手席に放り投げ、ネクタイを緩めて、車のエンジンをかける。


一旦帰って、シャワー浴びて着替えてから行こうと思ってたのに……。


帰ってたら間に合わない。


しょうがない、このまま行くか。


俺は職員駐車場から車をゆっくり出した。


カバンに入れていたスマホからLINEメッセージを知らせる音がした。


しかも何度も何度も。


あぁ!もう!わかってるよ!


今、向かってるっつーの!



「チッ!」



口から出た舌打ち。


タバコを取り出して、口に咥えて火をつける。


帰宅ラッシュの時間が過ぎてるからか、駅前の道は空いていて、渋滞に巻き込まれることなく、駅前の地下駐車場に車を停める事が出来た。


車に置いてある携帯灰皿にタバコを押し付け、カバンを持って車を降りると、待ち合わせ場所まで急いで行った。