私は、いつものようにベランダに出て夜空を眺めていた。 黒い空のキャンパスに輝く金色の星。 秋の夜風が頬を通り過ぎ、部屋の中へ吸い込まれて行き、カーテンが勢いよく舞い上がる。 「ゆず?」 後ろから声をかけられ、私は振り返った。 そこにはギターを担いだ彼氏の涼(リョウ)が笑顔で立っていた。 「これから行くの?」 「あぁ。ゆずは何してたの?」 涼はベランダに出て私の隣に並んだ。