「何もないところでビックリしたでしょ?」
先生のお兄さんが笑顔で話し掛けてきた。
「いえ、そんなことないですよ」
私も笑顔で答える。
「あいつさぁ……。教師になって、しばらくして俺に電話してきたことがあったんだよ。好きな子が出来たって。でも、教師として好きになったらいけない子だって言って、凄い悩んでてさぁ……」
「えっ?」
私は、先生のお兄さんの横顔を見た。
「恋愛相談を今までしてきたことなかったから、ビックリだったよ。あぁ、本気なんだろうなぁと思った」
私は、何も言えなかった。
ただ、頭の中に先生の笑顔が浮かんできた。



