列車が駅に着いた時には辺りは暗くなっていた。 街灯だけが光る無人駅。 駅に降りたのは私だけだった。 私は、バッグからメモ帳を取り出した。 先生の実家の住所が書いてあるページを開く。 前に先生が教えてくれた住所。 『俺の実家のあるとこは、もっと田舎でさぁ……』 先生が教えてくれたように何もない街。 駅でメモ帳を見せて地図を書いてもらい、それを頼りに歩いて先生の実家を目指した。 1軒の診療所。 【望月診療所】 その隣に、和風の家。 明かりがついていた。