私たちが病院を出て時には外は明るかった。
カラスが鳴き、朝焼けの空が眩しかった。
コートを着てなかった私に相川さんは自分のコートを貸してくれた。
「風邪ひいちゃうから」
そう言って。
藤原先生と溝口さんと別れ、帰る方向が一緒だった相川さんと並んで歩いた。
相川さんが私の自転車を押してくれていた。
「昨日さぁ……」
相川さんの声で、俯いてた私は顔を上げた。
「夏季から電話があったんだ」
「えっ?」
「あいつ、すっげー落ち込んでて、柚葉ちゃんに嫌われたかもしれないって言ってた」
私は、黙ったまま俯いた。



