パソコンのモニターにレントゲン写真が映し出されている。
「桜井さん?」
「はい」
「骨は折れてないみたいだね。腕も脚も大丈夫」
向かいに座った校医の先生はレントゲン写真を見ながらそう言った。
「ホントですか!」
「うん」
良かった……。
これで夏休み中もピアノを弾ける。
「でもねぇ……」
校医の先生はレントゲン写真を見たまま、そう言って言葉を切った。
私の胸がトクンと小さく鳴る。
「何か他に異常でもあったんですか?」
「いや、異常はないよ?」
校医の先生はレントゲン写真から私の方に目線を移してそう言った。
「じゃあ、何ですか?」
「骨は折れてなかったけど、手首を痛めてるからピアノはしばらく控えた方がいい」
「えっ?」
ピアノを弾けると喜んでいた私。
でも校医の先生の言葉で私の顔から笑顔が消えた。



