「あ、あの……香山先生……」
突っ立ったままの香山先生に声をかけた。
香山先生は私を睨みつけてくる。
氷のような冷たい目で。
そして何も言わず、私の前を通り職員室に帰って行った。
香山先生と入れ違うように先生が戻って来た。
「柚葉?大丈夫か?」
私の前にしゃがみ込んだ先生は小さな声でそう聞いてきた。
「うん……」
「本当はさ、お姫様抱っこしてやりたいけど、ここ一応学校だから……」
「そ、そんなのいいよ!大丈夫だから」
学校でお姫様抱っこなんて恥ずかしいよ。
「自分で歩けるから大丈夫だよ」
私はそう言って、体に力を入れて立ち上がろうとした。



