慌ててイスから立ち上がる私。
「はい!」
と、大きな声で返事をした。
皆がこっちを見ている。
一瞬、静まり返る教室。
な、なに?
私は、立ったまま周りを見ていた。
「キミが、桜井柚葉さん?」
「あ、はい……」
「返事がないから欠席かと思った。何か考え事してた?彼氏のことかな?」
先生が意地悪そうな笑顔でそう言ってクスっと笑った。
その瞬間、静まり返ってた教室に笑いが起こった。
後ろを向くと、お父さんもお母さんも恥ずかしそうな顔をしている。
顔が赤くなっていくのがわかる。
「ち、違います」
私は慌ててイスに座った。
教室から出て行きたい衝動に駆られていた。
けど……。
先生は何事もなかったかのように、そのまま出席をとっていた。