「あれ?おかしいなぁ?じゃあ、あれは私の見間違いだったのかしら?」
香山先生はワザとらしくそう言った。
「えっ?」
見間違い?
香山先生は何を見たの?
香山先生の言葉にカバンを持とうとした手が止まった。
「桜井さんって、◯◯町近くのコンビニの近所のアパートに住んでるんでしょ?」
「そう、ですけど……」
「私、用事があって、またまたあの近くを通ったんだけど、隣に公園あるでしょ?その公園の駐車場に望月先生の車が停まってるのを見たのよねぇ」
「えっ?」
先生と隣県のプラネタリウムに行った日だ。
あの日、確かに先生は私の住んでるアパートの隣にある公園の駐車場に車を停めた。
見られてたんだ……。
その場に崩れそうになる体に力を入れて倒れないように必死に耐えていた。
泣きそうになるのを必死に耐えていた。



