「えーっと、じゃあ、これから出席取るから呼ばれた人は返事な」
先生は出席簿を開くと1人1人の名前を順番に読み上げていった。
出席簿と顔を交互に見て、もう1度名前を確認していた。
周りの音が聞こえなくなる。
さっきよりも高鳴っていく胸のドキドキだけが耳に届く。
「……さん……桜井さん?桜井柚葉さん?」
私は、先生に名前を呼ばれているのに気付いてなかった。
「ん?あれ?桜井さんは欠席かな?」
「……ず……ゆず?」
前の席の綾乃が振り返り、私の名前を小声で呼ぶと軽く肩を揺らした。
「ん?」
私は先生を見ながら返事をする。
「名前、呼ばれてるよ?」
「えっ?」
我に返った私。
その瞬間、今まで聞こえなかったざわめきが耳に届いた。



