「裕幸が柚葉の好きなピアニストで、修が柚葉の中学の時の先生で……。柚葉は好きなピアニストである裕幸の出た大学に行く目標があって、うちの高校を受験して……。俺の知らない柚葉を修は知っていて……。裕幸や修の話を聞いてモヤモヤしている俺がいて……」
「先生……」
「そんな話を聞きたくないって思ってしまったんだ……。それでコンビニに行くって部屋を出て冷静になりたくて車の中で一晩過ごした。俺、親友で信用してる裕幸と修に嫉妬してしまったんだよ。情けないよな……」
そう言って困った顔をして笑っていた。
「俺、柚葉のことが好きすぎて、親友に嫉妬して本当に情けないよ……」
「先生、ゴメンね……」
「俺の方こそ、柚葉を不安にさせてゴメンな……」
私は再び先生の胸に顔を埋めて、首を左右に振りながら泣いた。
「柚葉?顔、上げて?」
私は先生に言われたとおりに顔を上げる。
先生が優しい笑顔で私を見下ろしている。
先生の顔が近づいてきて、私の唇に、先生の唇が重なった。



