「◯◯大に行きたいと思ったのは、相川さんと出会えたからだし、だから◯◯高校に入りたいと思って、放課後にピアノを教えてくれたのは藤原先生だったしね」
柚葉の言葉を聞いて胸がズキンと疼いた。
「でね、藤原先生ってさぁ……」
柚葉が中学時代の話をしてくるけど、俺は相槌を打つだけで内容は全く入ってこない。
「柚葉?ゴメン……」
「えっ?」
さっきまで笑顔で話していた柚葉が真顔になる。
「ちょっとタバコ吸ってくる」
「うん……」
ソファーから立ち上がり、ベランダに出る俺を不思議そうな目で見る柚葉。
ベランダに出て、タバコを咥え火をつける。
「はぁ……」
口から漏れた溜め息。
「先生?」
柚葉がベランダに出て来て隣に立った。
「どうしたの?」
「いや、別に何もないけど?」
俺は柚葉の方を見るわけでもなく、真っ直ぐ前を見たままそう言った。



