ベランダに出た。
うわぁ!なに、これ!
凄い!
こんなのテレビで見たお金持ちの家でしか見たことないよ。
先生が住むマンションのベランダは普通のベランダだけど、相川さんのお家のベランダと言うよりテラス。
6畳ほどの広い空間に木のテーブルやイス、ベンチなどが置かれている。
そのひとつのイスに先生が、こちらに背を向けて座ってるが見えた。
項垂れていて寂しそうな先生の背中。
「先生?」
私は先生の後ろから声をかけた。
「ん?……あぁ、どした?」
私の声に気付いて、先生は顔をこちらに向けると少しだけ笑顔を見せた。
私は先生の隣にあったイスに座る。
「ここは、あまり星が見えないね」
「あぁ、そうだな」
先生はそう言って力なく笑った。
「裕幸といろいろ話せたか?」
「あ、うん……」
「そっか……。で、あいつは?」
「晩ご飯の用意をするって」
「そうなんだ……」
「先生?」
「ん?」
先生は返事をすると、タバコを口に咥えて火をつけた。



