相川さんはオレンジジュースを出してくれた。
先生にはアイスコーヒー。
「柚葉ちゃん、俺のファンってマジ?」
「はい!」
「こんな可愛い子にファンって言われて嬉しいよ」
「一昨年、相川さんのピアノコンサートに行って、それからファンなんです!」
「うわぁ!マジ?」
「はい!あ、あの!握手してもらっていいですか?」
「あ、えっと……」
私の言葉に相川さんはそう言って先生を見た。
私も先生を見る。
「俺、ちょっとタバコ吸ってくるわ」
先生は相川さんと私に目を合わせようとせず、そう言うと立ち上がりベランダの方へと歩いて行った。
先生?
もしかして怒っちゃった?
私と相川さんばっかり盛り上がって、握手まで求めたから?
リビングの中に気まずい空気が流れていた。



