「小学1年生の時にピアニストになりたいって夢が見つかって、親に頼んでピアノを習い始めたんだ」
「うん」
「週に1回、ピアノ教室に通って家でも練習して、休みの日も朝から晩まで弾いて、いつもピアノばかり弾いてた」
俺はそう言ってクスッと笑った。
「中学は部活も入らないで帰ったらピアノの練習、高校も部活に入らないで帰ったらピアノの練習。毎日毎日飽きもせずピアノを弾いてて、それから音大に行って、コンクールに出まくってさぁ……」
「うん」
「コンクールで何回か優勝したり、優勝まではいかないけど賞をもらったり……。で、音大の先生から、ヨーロッパであるピアノコンクールに出てみないか?と話があって、俺はそれに向けて練習を始めたんだ」
でもな……。
頭の中にあの頃のことが蘇る。



