どのくらいベランダにいたんだろう。
3本目のタバコを咥えようとした時……。
「せん、せ?」
後ろから柚葉の俺を呼ぶ声が聞こえた。
タバコをボックスに入れ、振り返ると柚葉が立っていた。
「いつの間にか寝ちゃってた」
柚葉はそう言ってクスリと笑うとベランダに出て俺の隣に立った。
「ここは高い場所にあるから風はあるけど、生暖かいね」
「そうだな」
「先生ってタバコ吸うんだね」
「えっ?今更?」
柚葉と付き合って3ヶ月。
何度も柚葉の前でタバコを吸ったことあるけど、今までそんなこと聞かれたことなかった。
「音楽する人はタバコは吸わないのかと思ってた」
柚葉はそう言って、ベランダのフェンスに背を向けた。
「俺、声楽じゃねぇし。タバコ、嫌?」
「ううん、タバコ吸ってる先生、好きだよ」
フェンスに身体を預け、そう言った柚葉はニッコリ微笑んだ。



