次の日ーー。
私は先生の実家に行くため、1両しかない各駅列車に乗っていた。
先生の実家は小さな田舎町にあって、先生のご両親が小さな診療所を経営してるって、前に話してくれたことがあった。
今は先生のお兄さんが後を継いでいるらしい。
列車の中は、ほとんど人がいない。
私は、4人掛けの席の窓際に座った。
行っても会ってくれるかな?
私のことを覚えてるかな?
行っても会ってくれる自信がなかった。
だけど、先生に会いたい……。
私は列車の窓から外を眺めていた。
そして、あの頃のことを思い出していた…。
私と先生が出会ったのは5年前。
私が高校1年の時だった……。



