「嘘つかなくていいよ。自分の気持ちに正直になりなよ。先生のことが好きで愛してるなら、会いに行けよ……」
涼があの時と同じように、私の背中を摩ってくれた。
優しく……優しく……。
私の肩の上に、涼の涙がポタポタ落ちるのがわかった。
「涼?泣いてるの?」
「ゴメン、俺……。ゆずのことを本気で幸せにしたいと思ってたんだ。でも出来なかった……。先生には敵わないわ。ゴメンな……今まで辛い思いさせて……。でも、もう我慢しなくていいからな」
「ゴメンね……」
こうして私は涼と別れた。
半年という短い時間。
涼はたくさんの愛をくれた。
たくさんのLove songを歌ってくれた。
なのに私は、涼に何もしてあげることが出来なかった。
最後まで涼は私に笑顔を見せてくれた。
ゴメンね、涼……。
何もしてあげれなくてゴメンね……。



