夜風が吹いて、彼女の髪が風に揺れている。
風に乗って彼女の香りが鼻を掠めた。
彼女は夜空を見上げている。
その横顔が可愛くてドキッとしてしまった。
「先生は星が好きなんですか?」
彼女は星を見ながらそう聞いてきた。
「あぁ、好きだよ。桜井さんは?」
「私も好きですよ」
彼女は星が好きだと言っただけ。
「そうなんだ……」
彼女は俺の質問に答えただけ。
好きと言ったのは星が好きだという意味で、そんなことわかってるけど、でもなぜか俺は自分が好きだと言われている感覚に陥ってしまった。
そんな自分が恥ずかしくて、俺は夜空を見上げた。



