私は首を左右に振った。 「迷惑だなんて、思ってません、から……」 「えっ?」 先生が私の首筋から顔を上げた。 「嬉しくて、泣いてるんです……」 「桜井、さん?」 「私も……私も好き……」 「えっ?」 「私も、先生が好き、です……。入学式の日からずっと……」 「ホントに?」 私は何度も何度も頷いた。 卒業しても自分の気持ちを先生に伝えることはないと思ってたのに……。 なのに……。