「あの、私……」


「ピアノの練習を……」



先生は私の言葉を遮ってそう言った。



「ピアノの練習、まだ途中だったから……。だから練習したらいいよ」


「でも……」



ピアノの練習が出来るのは嬉しい。


でもホントにいいの?


私はその場から立ち上がった。



「ホントに、いいんですか?」


「いいよ」



先生はそう言って、お風呂場を出る。


私もそれに続いてお風呂場を出た。



「ごゆっくり」



先生は部屋の前でそう言ってニッコリ笑った。


私は会釈すると、部屋の中に入った。