急いでリビングを出て彼女のいる部屋に入る。
ピアノを弾いていた彼女は手を止めて俺を見た。
「せ、先生?どうしたんですか?」
「今は説明してる暇はないんだ。悪いけどこっちに来て?」
彼女はキョトンとした顔をしている。
「早く!」
思わず大きな声を出してしまった。
彼女は肩をビクンと震わせ、ピアノの椅子から立ち上がった。
「こっち!」
部屋を出て、風呂場に連れて行った。
トイレは香山先生が入る可能性あるけど、風呂場なら大丈夫だろう。
「ここに入って?」
彼女は、わけわからないような顔をして風呂場に入る。
「せんせ?」
「ゴメン!また俺が来るまで出て来ないようにして欲しい」
ゴメン……。
俺は風呂場に彼女を残して、そこを出た。
それと同時に玄関の呼び鈴が鳴り響いた。



