アパートに帰って来た。 カバンを放り投げ、手も洗わずにベッドの上に倒れ込んだ。 天井をジッと見つめる。 私はアパートに一人暮らししてるから、ここにはピアノがない。 実家には長期の休みの時しか帰れない。 自宅から通う子よりピアノの練習を沢山しないといけないのに……。 そうしないと他の子に置いていかれてしまう。 だからピアノ室での練習は欠かせない。 なのに、何でこんなことになるの? 香山先生の冷たい笑顔も気になるし……。 「はぁ……」 口から溜め息が漏れた。 もう嫌だよ……こんなの……。