「だ、大丈夫です……」
体調不良なんて嘘だから大丈夫に決まってる。
でも先生には本当のことは言えなかった。
『そうなんだ。良かった』
先生はそう言ってクスリと笑った。
『それから……』
「な、何でしょう?」
『マンションに来てたって本当?』
「えっ?えっと……その……」
これも香山先生が話したんだ。
私は何て言っていいのかわからず黙り込んだ。
もしかしたら先生は迷惑に思ったかもしれない。
『桜井、さん?』
「あ、あの……ゴ、ゴメンなさい!」
『どうして謝るの?』
「私、先生のマンションに行きました。体調を崩してるって聞いて心配で……だから、お見舞いに行こうと思って……。でも部屋番号がわからなくて……迷惑をかけてしまってゴメン、なさい……」
そこまで一気に言った後、目に涙が溢れてきた。



