「沙里っ‼︎」息を切らしながらそう叫んだ。
沙里は少し驚いた様子で、「どうしたの?」と首を傾げて聞いてきた。

「…っ、ひっく…うぅっ。」泣くつもりなんてなかったのに泣いてしまった。

沙里は、「だ、大丈夫!?どうしたの!?」と心配してくれた。それを見てもっと辛くなった。

でも、ちゃんと説明しなきゃ。
私は真っ直ぐ沙里の目をみた。
「沙里。私ときのことが好きなの!
それで沙里が羨ましくてあんたのペン池にわざと投げた。ごめん。」
言い終わり、なんて言われるか不安で手をぎゅっと握りしめた。

すると沙里は、一瞬悲しそうな顔をした。でもすぐに優しい顔にもどった。
「…そっか、ときやのこと好きだったんだね。ペンのことは気にしないで!きっと私がその立場でもやってたから」って言って笑って、続けてこう言った。
「ライバルとして頑張ろうね!」
あぁ、ときは沙里のこういうところを好きになったんだろうな。勝てる気はしないけどスッキリした。