ハッとした。
私は何をしてるの?
とにかくなんとかペンを水から出そうと思って、木の枝で必死にかきよせようとした。

体がビクッと震えた。
だって声が聞こえたから。
「お前、なにやってんの?」

ときだ。

「なんか探してんなら手伝うよ。」
本当にときは優しい。
泣きそうになった。私はときの好きな人に嫌がらせをしたのに。

「…ありがとう。」かすれた声でそう言うしかなかった。

心配しながら、走り去って行ったときを確認してからまたペンを探した。

何かが手にあたった。やっとペンがとれたんだ。

私はペンを握り決心した。
私のしたことと気持ちを沙里に伝えようと。