先生が呆れて、「もうはやく座りなさい。」と言ったので皆の冷やかしも終わり私たちは席についた。

私の前の席の沙里(さり)が、小声で話しかけてきた。「時哉と登校できてよかったね♪」沙里は唯一、私がときを好きなことを知っている友達。

そして、ときの好きな人。

この前ときから聞いた。
中学1年生の時から好きだってこと。
「お前には特別に言う」って。
そんな特別がほしいんじゃない…

でも、沙里はすごく優しくていつも人が困らないように行動している。
部活は私と同じ吹奏楽部で、先輩に推薦され、部長をしている。
私は立候補してもなれなかったのに。

私の中でモヤモヤとした感情が生まれた。