帰り道、私の胸は温かかった。 心にぽっかりと空いたはずの穴は、彼のおかげで少し塞がったんだ。 下を向いていたら自分の足しか見れない。 前を向けば進む道が見える。 上を見上げたら、見たことのない景色が待っている。 夜空はこんなにも輝いていて、見た人の心を癒してくれる。 こんなにも、日常的で、普通のことなのに、教えてくれるまで気がつかなかった。 全ての傷が癒えるのにはたくさんの時間がかかるけど… 君が次に恋する人とは幸せになれますように── 私は心の中で彼の幸せを願ったんだ。