「星が綺麗ですね」 そして、沈黙を破ったのは彼の方だった。 周りが暗いため、星がより綺麗に見えていた。 また、涙のせいもあるのか余計にキラキラして見える。 こんなに空が、星が綺麗だったこと気づかなかったなんて… 「そうですね」 私はたった一言、言葉を返した。 失恋したけれど、今、こうして空を見上げられている。 下ばかりじゃ分からないこともあるんだ。 初めて、上を見た時に気づくこと。 「じゃあ、僕はこれで」 「じゃあ」 私達はそれぞれ帰る場所へと帰って行った。