宙は初対面なだけあって、田中くんのことを警戒している。
「これから僕とも仲良くしてね」
「は?」
田中くんはなにを言ってるの?
宙は明らかに不服そうな顔をしてるし。
「僕達付き合ってるんだ」
「えぇぇえぇ?!!」
宙は愛奈と同じ反応をして見せた。
「それじゃあ、僕達は先に行くね」
田中くんは私の腕を引っ張ると教室に連れて行った。
私達の様子を見かけた生徒もまた、愛奈達のように驚いていた。
そりゃあ…転校してまだ2日目だしね。
それなのに、こんな私が隣にいたら…みんなきっと不満だよね。
ガラッ──
田中くんは私の腕を引っ張りながら、教室に入って行った。
もちろんクラスみんなの視線は私達に向けられる。



