「でも、僕…後悔してた…」
〝後悔してた〟と言われ、ラクガキのことを思い出す。
「それに...僕は大バカ者」
「えっ...?」
田中くんの言葉に聞き返す。
「僕...大切な人の存在に、失って初めて気づいたんだ。もっと、僕が優しくしてたら、もっと早く僕が君の大切さに気づいていたら、僕がもっと素直だったら......もし、君と再会した日、本当は覚えてるって言えてたら...って後悔ばかり」
田中くんは苦笑して見せた。
「...本当。あの再会した日、私すごく恥ずかしかったんだからね!」
そんな彼に少しだけイジワルをしてみると、〝ごめん、ごめん〟と謝られた。
「ねぇ、あの言葉言って?」
私達が初めて交わした言葉を。
「あの言葉?」
けれど彼は忘れている様子だった。
「忘れたならいいですよー」
少しだけふてくされてみる。



