「あっ!」
「えっ!?」
そんな事を考えていると彼がいきなり声を上げた。
何事かと思い私まで声を上げてしまう。
「教科書忘れた」
なんだ、教科書か…
「ねぇ、次教科書見せてくれる?」
ん?
これ、私にお願い…してる?
「私?」
「君以外に誰がいるの?」
確認のために聞き返すと、さも当たり前かのように返事が返ってくる。
語尾に〝バカなの?〟と着いているように感じる。
「いないけれど…」
一応別れたんですよ?
少しは気まずいとかないの?
「ありがとう」
そんな私の気持ちなど知れず、彼は机を移動させ私の机とくっつけた。



