本来なら走って家に駆け込むはずなのに。
足取りは重く、のろのろと歩く始末。
愛奈に届けるはずの果物も届けてないし…
あとでお詫びのラインしとこう。
なぜか今の私はビックリするほど冷静だった。
「…」
立ち止まって空を見上げれば、不覚にも世界に独りぼっちの気分になる。
顔に当たる雫が冷たくて気持ちいい。
静かに目を閉じて、その場に立ち止まった。
その時、遠くから声がした。
「彩?!」
私の名前を呼ぶ声。
「何してんだよ!!!!」
ゆっくりと目を開ければ、傘を持った宙が私を中に入れて立っていた。
「ちょっとね…」
「ちょっとね、じゃないだろ!!!バカッ!!!」
宙は眉間に皺を寄せて怒っていた。



