「えっ?坂田先輩っ!?」
「ちょ、どこどこ!?」
「ヤバ!写メらないと!」
「つーか体育祭終わりで全然盛れてないんですけど!?」
女子の焦るような声が聞こえる。
「なんでお前らがここにいんの?打ち上げ?」
「そうですけど」
ふーん、と興味なさそうに言ってくる。
その姿も態度も格好よくて、その憧れは憎悪になる。
カッコつけやがって。ムカつく。
「そういう坂田先輩はどうしてここにいらっしゃるんですか」
坂田先輩は俺らとは違って私服。
そして1人だ。
学校からは近いが、坂田先輩は確か俺の家の近くだって女子が言ってたから
わざわざこんな遠いファミレスまで何しに来たんだ、という疑問が頭を埋め尽くす。
「んー、人探し」
そう言ってキョロキョロと辺りを見回している。
……というか俺の傍から離れてほしい。
クソ!コイツの悪口ならいつまででも語ってられるのに!
つーか女子うっせえ!キャーキャー媚売ってんじゃねえ!
……これって普通に嫉妬してるみたいでかっこ悪くね?
「はぁ……」
ため息をつく。
これだからモテないんだよ、俺は……。
