ずっとずっと、片想い



バトンを受け取った俺は走り出す。

風は向かい風ではなく、追い風。

俺の背中を押してくれている。

コーナーを滑らないように走る。



あともう少し。



コーナーを走り終わり、アンカーまでの道は真っ直ぐに続いている。

俺の目の前には赤いバトンを持ったランナー。

2年だ。

最後の力を振り絞り2年ランナーの前に出る。

その瞬間、歓声がドッと沸く。

真田が少しずつスピードを上げて走っていく。

練習でやった通りだ。



「真田っ……頼む!」


自然に出てきたその言葉と共に青いバトンは真田の手の中に納まった。




「任せろ!」



そういって真田は走り出した。