(どうして?)


「ピイィ!ピイイイ!」


沙羅と入れ代わるように廊下へと出たのだろう白亜の騒ぐ声が聞こえてくる。


「・・・・・・だよ。こんな時間に・・・」


騒ぐ白亜に目が覚めたのか、誰かの声がする。


「っ・・・」


それが聞こえたのか、沙羅の手が花音の首から手が離れたかと思うと、窓の方へ駆け、出ていってしまう。

その直後、白亜に引っ張られるようにして、花音の部屋へ入ってきたのは、花音のすぐ前の部屋を与えられていた凍矢だった。


「・・・何があった?」


身体は起こしたものの、床に座って息を整えている花音と不自然に開いている窓を見て、問い掛けてくる。


「大・・・、丈夫・・・。何でもないよ」

「何でもないって・・・、だったら、その首はどうしたんだ?」

「えっ?」

「絞められたような跡があるぞ」


その言葉に慌てて首を隠す。


「ほ、本当に何でもないよ。ごめんね、起こして」

「・・・まぁ、いい」


言いつつ、窓の方へ歩いていった凍矢は、外を確認した後、そこを閉めて戻ってくる。


「夜中だしな。話は朝になってから、ゆっくり・・・」

「ドガアアア」


その時、建物の中に大きな音が響き渡った。