「お前達の関係がどんなものであろうと、俺には関係ないし、興味もない。だが、俺はお前達のやり方が気に入らない。・・・それ以上に・・・」


地を蹴った風夜が一瞬で牙王との距離を詰め、すり抜けるように背後へ移動する。


「俺の大切なものを平気で傷付けるお前達を、許すつもりはない」

「うがあああ!!」


風夜の言葉と同時に、牙王の左翼が切り落とされ、地へ落ちた。

「貴様っ・・・」


片翼を失って、牙王の目付きが変わる。


「もう、許さんぞ!この、裏切り者があぁ!」


叫んだ牙王の姿が消え、風夜のすぐ傍に現れる。


「危なっ・・・」


それに花音は声を上げかけたが、次の瞬間、吹っ飛んだのは牙王の方だった。