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数分後、風夜の後を着いていった花音達は、大きな屋敷の前にいた。

中に入れば、反勢力のリーダー格のものと思える強い魔力を感じる。

それに僅かに緊張しながら進んでいくと大きな扉があり、それを風夜が開くと、中にいた者達の視線が集まった。

神界へ行く時に離れた〈風夜〉、沙羅、朔耶と、魔族の里で出会った梨亜と夜月、その他に見たことのない男が一人いる。

その男が、この街のリーダーのようだった。


「そいつらがお前達が言っていた奴等か?」


言って、男は座っていた椅子から立ち上がる。


「あなたは?」

「俺は此処で反勢力を率いている紫狼だ」

「・・・あなたが私達を此処に置くことを許可したって聞いたけど?」

「ああ。だが、幾つか条件がある」


聖羅を見返し、紫狼が言う。


「一つ目は、この街で無闇に力を使わないこと。街の者を刺激しないためにもな。二つ目は、この街が攻撃を受けた場合、我々と共に対処すること。それと、三つ目に神族とそっちの二人には監視をつけさせてもらいたい。この三つが条件だ」


花音と光輝を指して、紫狼はそう言った。