「姉上!?」

「どうやら、神族だけでなく、それに近い力を持つ光の一族にも効果はあるみたいですね」

「ふむ。成る程、それでは聖羅様が斬りつけられていたとしたら、そうなっていたのは聖羅様だったというわけか」


話を聞いていた総長が言う。


「ですが、聖羅様が無事で何よりですよ。聖羅様が勝手に抜け出したことは褒められるものではありませんが、何事もなく・・・」

「ちょっと、何もなかった訳じゃないでしょ?」

「琴音ちゃん!いいよ・・・」


副総長の言葉に、琴音が声を上げたのを見て、花音は慌ててそれを止めた。

「でも!」

「私も今の言い方はあんまりだと思う。私が油断していたのが悪いんだし」


聖羅が言い、総長と副総長を少し咎めるように見た後で軍医の方へ視線を移す。


「それでその毒に効く薬とかはないの?」

「そうですね。・・・ない訳ではありませんが、今の状況では手に入れるのは難しいかと」

「何故、そう思うんだ?」

「毒が魔界のものなら、治療薬も魔界ということですよ」


問い掛けた空夜に軍医はそう答えた。