再び走り出して数分。

花音は遺跡のようなものを見つけていた。

このまま走っていても逃げ切れるような気がしなくて、一度そこに身を隠そうと中に入る。

中は思ったより広くて、辺りを見回し隠れることが出来て、なお男が入ってきてもわかる場所へと座り込んだ。


(でも、どうしよう?隠れていたってここから出られる訳じゃないし。何とか皆にこの状況を気付いてもらえないかな?)


そう思っても花音が所持しているのは、弓と前に神麗から貰った各属性の力が入った珠だけだ。


(ん?弓と珠・・・、そうだ!)


それは空間と時を操る、刹那の力と同じ力を持っている筈のもので、それを弓にはめ込むと、花音は何もない場所へ向けて弓を構えた。