「星華」

「・・・はい」

「今、負ってる傷だけでも」

「・・・はい」


神蘭に言われ、星華が封魔に手を翳す。


「・・・悪いな」

「・・・いえ」

「ふん。力を抑えた上に、そんな消耗した状態で、俺に勝てるとでも?だったら、遠慮はいらん。全員纏めて来い」

「・・・いや、その必要はない」


挑発した闘牙の言葉に、風夜が答える。


「何?」

「全員で相手をすることもないって言ってるんだ。お前、自分も相当消耗しているってこと、わかってないのか?」

「それがどうした?だが、俺よりそいつの方が」

「それもそうだが。全員相手する程の力は、お前にはない。ここから加わるのは、俺一人で充分だ」


お互いに挑発しあっているような風夜と闘牙に、花音はひやひやしていたが、そこで風夜が封魔を見た。


「・・・その制御装置で抑えられた力の分は、俺がカバーしてやる。だから、もう絶対外すなよ」

「って、何でお前が?」


驚いたように見る封魔に、風夜は笑う。


「・・・俺に策がある。それに試しておきたいこともあるんだよ」



そう言うと、闘牙の方へ視線を移す。


「ってことで、ここからは二対一だ。いいな?」

「ふん、構わん。俺は、何人相手でもな」


そう言ったかと思うと、闘牙は再び魔力弾を放ってきた。