「あ、来た、来た」


砲台を破壊して戻る途中で、闘牙の相手をしていた封魔とも合流した花音達が集合場所まで来ると、既に待っていた美咲が声を上げた。


「随分、ゆっくりしてたじゃない?そっちは、全員で足止めされてたの?」

「いや、そういう訳じゃないけど・・・。っていうか、やっぱり皆のところも?」


星夢の言葉から他の場所でも妨害があったのかと聞き返す。


「ああ、こっちは闇王が」

「俺達の所には、窮姫が現れた」

「とはいっても、実際に相手をしたのは神蘭と白夜だけど」

「こっちは、龍牙と鈴麗が残って、俺達は先に行ったんだ」


雷牙、光輝、水蓮、夜天がそう返して、神蘭達の方を見る。

彼等は、花音達を待つ間に、傷の治療をしているようだった。


「やっぱり、お前等の所も先に行かされた訳か」

神蘭達や、今彼女達の方へ行った封魔が星華の手当てを受けているのを見ていると、風夜の声が聞こえてきた。


「まぁ、結局は俺達と協力したくないってことだろ?」

「共通の敵ではあるのだろうが、やはり我等とか別に行動した方がいいのかもしれないな」


肩を竦める風牙や、紫狼の声も聞こえてきて、花音は再び神蘭達の方を見た。

彼女達は彼女達で何かを話していて、此方を気にすることはない。

神蘭達と風夜達の間はお互いの話が聞こえない位には開いていて、その中間辺りに花音達がいる。

それが今の心の距離でもあるようだった。