「・・・黒蘭もやられたようね」


水晶に映っている花音達の様子を見ながら、黒姫が言う。


「全く、ここは魔界で、我等の方が有利の筈、それなのに二人続けてやられるとは」

「同じ五将軍として、情けないわね」

「・・・」


闘牙、窮姫が口々に言う中、闇王が無言で立ち去ろうとする。


「何処へ行くの?」


それに気付いた窮姫が聞く。


「そろそろ奴等も動く。となれば、真っ先に狙ってくるものはわかる」


そう答えた闇王に、黒姫はクスリと笑った。


「そうね。あれをまだ失う訳にはいかないわ。・・・窮姫、闘牙、あなた達も行きなさい。そして、奴等を迎え撃ちなさい」

「「「はっ!」」」


黒姫の言葉に、窮姫、闘牙、闇王は膝をつくと、姿を消した。