視界が暗くなって、抱きしめられる力が強くなっていく。






しばらくして衝撃が収まり、俺は唖然としていた。






俺はお母さんの腕を解くと、そこには目を閉じて紙のように真っ白な顔のお母さんがいた。






俺が持っているお母さんの腕が、冷たい。






頭に血が滲んでいた。






「…お母さん?」






席を立ち上がり、運転席を覗く。






そこには血だらけで真っ赤になってハンドルにもたれかかっているお父さんがいた。