鳴ってからは素早かった。
水樹は手ぐせの悪さから相手に気づかれないうちに頭のハチマキをするりと抜いていく。
燈蔭は見た目からは全く思えない力強さから相手を地面へと落としていく。
他の強いチーム...春たちのいるところなどはそれに遅れをとらないぐらいの速さだ。
だが、あまり強くないクラスは1チームも残ってなかったりする。
一年生はもう誰ひとりの残っておらず、二、三生は5チームぐらい。
そして、水樹は三年生の1チームと対峙していた。
「そろそろ落ちたらどうですか?」
「っ...ぐ、まだいける!」
水樹はギリギリとなるぐらい手を握り締めて押して行く。
それに負けないぐらいの力で三年生も押し進める。
だが、水樹が合図した途端、元々均衡していた二人は一気に傾いた。
もちろん、水樹が優勢だ。
三人が水樹を先程よりも上にあげ、水樹が上から三年生を押し潰すように乗り上げる。
三年生の騎馬はあまり力がないのか、それとも上に乗ってる人が重いのか持ち上げられてないようでどんどん三年生の騎馬が崩れ落ちた。
「はぁ...流石に力仕事は疲れる。」
「棄権するか?」
水樹が疲れを癒すよう騎馬に座っていると拓弥が聞いてくる。
「んなことしねぇよ。ここで負けたら俺の名が廃るっての。」
「そんな有名じゃないでしょ、ここでは。」
宗平が呆れつつ言うとそれもそうだ。と苦笑した。


