それから水樹はトイレに行って、ジャージに着替えた。
なぜトイレで着替えたのかというと、見られたくない…いや、別に見られても良かった、言い訳が面倒だっただけの話だ、身体にはたくさんの傷があったから。
打撲痕や、鋭利なもので切られた跡…などなど。
一応弱気系で過ごしていた為、こんな傷を見られたりしたら結構、騒がれるんじゃないかって。
そう思ってトイレで水樹は着替えた。
グラウンドに行く途中、翔たちと合流し、そのまま四人で行った。
そして、先生が来て授業が始まったんだが、二人ペアを作って欲しいとのことだった。
なぜかと言うと、ただのストレッチ。他にも、短距離走る時とかのペアだとか、色々意味があったみたいだけど。
体育の時間は男女別で行われる。ただ、男女別にすると人数が少なくなるから他クラスと合同なのだ。
と言っても、ペアは大体の人間が同クラスとなるみたいだが。
「あー…すまん。俺さ、ちょっと左腕怪我してて体育出れないんだよ。だからさ、水樹。ペア、誰か他のやつと組んでくれないか?」
燈蔭と和人は二人で組んじゃったみたいだし…。と他の人とは違い制服を着た翔は申し訳無さそうな顔をして水樹に謝った。
「そ、そうなんですか?……わ、わかりました、誰かに声、かけてきます。」
「本当にごめんな?」
「いえ…気にしないでください。」
水樹はそう言うと、少し離れて一人ポツンと立っていたある人物に話しかけた。
「…一緒に組みませんか?黒城さん。」
黒髪の、渡辺たちとつるんでいたはずなのに一人でいた、黒城拓弥に。


