「遅いぞーお前ら。」
先生は水樹の時と同じような対応をして―と言ってもその五人はサボったせいで怒られてたが―5人を座らせる。
渡辺が一瞬水樹を睨んだ気がしたが気のせいだろう。
―――…黒城拓弥、か…。何だが、他のやつとは違う気がするんだよなぁ…。
……熊野さんに頼まれてたやつ、今日も欠席だしどうしたらいいんだよ…。
ふと、そこで誰かに呼ばれた気がした。いや、気がしたのではない、呼ばれたのだ。先生に。
どうやら、呼び声に気づかないぐらい上の空だったらしい。
「熊野、大丈夫か?ボーッとしてるが。暑さにやられたか?」
「あ……いえ、問題ないです。」
「そうか、ならちゃんと話し聞けよ?」
「…はい。」
それからも、考え事をしたり、落書きを書いたりして、授業を聞き流した。
そして、チャイムがなり、授業が終わる。
「……熊野、ちょっと来てくれ。」
次が体育だったので、着替えようと立ち上がったところに黒城に呼び止められ、廊下に出る。
「……なんですか?」
「…手、出せ。」
水樹は黒城に言われたとおり手を出す。
すると、手のひらに一万円を置かれた。
「……これは?」
「弁償代。俺がやった訳じゃ無いけど一応俺の仲間ががやった事だし…。」
「…なんで、あいつらとつるんでるんですか?」
水樹は財布に一万円を仕舞いながら問う。
「……別に意味はない。あいつらと一緒に居るのが一番安全だと思った。それだけだ。」
「…そうですか。着替えなきゃいけないので、これで。」
水樹は軽くお辞儀をしてその場を離れる。


