白黒のぬくもり

捨ててらっしゃい!なんて言われて、あ、そうですかって捨ててこれるわけないじゃない。

今や私にとって一番の存在なんだから、アルトは。

ママの言葉を無視して、ばあちゃんを味方につけることにした。

ばあちゃんが猫好きとは聞いたことはないけど、ばあちゃんに猫ってお似合いだなーっと思う。
さっさと部屋に入ってばあちゃんの座っているところに向かう。

「おぉ、来たか来たか。」ばあちゃんは久しぶりの孫に会えて嬉しがった。

「ばあちゃん、これアルトっていうの」キャリーからアルトを出す。
「なんだ、これ猫か?」アルトに手を差し出す。
「ばあちゃん抱っこだって」アルトはばあちゃんの手に移ると意外にもおとなしく膝の上に座った。

ばあちゃんも笑いながらアルトの頭を撫で
「なんだぁおめぇは可愛いなぁ、アルトって言うだか?」なんて言ってる。

これでばあちゃんは味方についた!!

「あ!もう部屋の中出して!!汚いでしょ!」ママだ。
「お風呂入れてるから汚くない!」何かブツブツ言いながらアルト周辺を雑巾で拭いて歩く。

「ママの部屋には絶対入れないでちょうだいよ!!」バシッと戸を閉める。
別に入れないからいーもん…