白黒のぬくもり

出て行けという言葉に今後どうしよう?という事ばかりが頭の中を巡った。

行くあてなんてない。
実家?それは避けたい。
どこかに引っ越す?敷金は?お金なんてない。
頭は混乱するばかりだった。オヤジはなおも何か喋っているようだけど、さっぱり頭に入ってこない…

耳鳴りがする。
床が揺れる。


「出てくから100万ちょうだい」ふいにそんな言葉が口から出た。
何か言ってる。何?
聞こえない。

「明日にでもアパートのポストに100万入れておいて。そしたら一週間以内に出ていってあげる。」それだけ言って電話を切った。

切ってすぐ再び携帯が鳴った。
通話ボタンを押すと、オヤジが何か怒鳴る声が聞こえたが私は喫茶店という事も忘れて大声で
「うるせぇよ、くそじじぃ!!明日ポストに100万入ってなかったらてめぇのとこの糞ガキぶっ殺すからな!!」叫んだ。
携帯を叩きつけるようにして電話を切った。

息があがっていた。
すっかり氷の溶けたアイスロイヤルミルクティーを飲み干して、息を整えると店内の様子が気になった。

店にいた数人の客が驚いたような、怯えたような顔でこちらを見て、私と目が合うなり視線をそらした。