白黒のぬくもり

「洗濯機置く場所あったらいいのに」つい口に出して言ってしまう。

はぁぁ、ソファーに横になった。
「えっ?!」テーブルの下を見てビックリした。綿棒が散乱している。

「なんでー?!やだぁ」綿棒をかき集めていると食事を終えたアルトがやってきて、散乱する綿棒を手で引っ掻きまわし、そのうちの一本をくわえて段ボールの影に隠れていった。

私は這いつくばって、そっと段ボールの裏を覗いた。そこには綿棒の先っぽがボワボワになったものが何本も散らばっていた。
その無惨な姿の綿棒の上で、アルトは今持っていった綿棒をしきりに噛っている…

「アールートー…綿棒全部駄目になっちゃうじゃんよぉ」

「だって楽しいんだもーん」そんな声が聞こえた気がした。

仕方なくテーブルの下の綿棒を集めて、使えそうなやつだけケースに戻した。
駄目そうなものはアルトが遊ぶか、と諦めてテーブルの端に載せた。

段ボールの裏から出てくると何事もなかったように澄ました顔でクッションの上に座る。
こいつめー、とアルトの顔を見る。

髭に綿棒の綿が付いていた。

「お前髭に綿くっついてるよ!馬鹿だねぇ」憎めない奴め。